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評価の見直しが子どもたちに与える影響とは?

小田原市蓮正寺にお住いの皆さん、こんにちは!

小中学生対象の学習塾、清栄学舎午来(ごらい)です。


小田原市蓮正寺エリアに新しく開校した当塾では、白山中学校・泉中学校・東富水小学校・富水小学校に通うお子さんを中心に、生徒を大募集しています!

もちろん、それ以外の学校にお通いの方も大歓迎!



昨日の続きです。

「主体的に学習に取り組む態度」が成績から外れるというニュースについて、その背景と意味を整理しました。

今回は、この変更が子どもたち、特に中学生にどのような影響を与えるのかを、もう少し具体的に見てみたいと思います。


まず注目すべきは、神奈川県の公立高校入試です。

神奈川県の一般入試は、「学力検査」と「調査書(内申)」を組み合わせて合否を決める仕組みになっています。

そして、中学校における発達の段階を重視する観点から、第3学年の「主体的~」の評価を数値に換算して用いることになっています。

「主体的~」をことさらに重視するのは、神奈川県独自の方策と言えます。


ここの「主体的~」が今後、評定に数値として反映されなくなるとなると、当然、神奈川県の入試制度にも見直しが必要になります。

どこまでの変化になるかは、現時点では分かりません。

マイナーチェンジで済むのか、入試制度全体に関わる大改革になるのかは、そのときになってみないと分かりません。


さて、ここで少し視点を変えて、「主体的~」が数値評価から除外されることを、喜ぶ生徒とはどんな子か?を考えてみましょう。


率直に言えば、「まったく勉強していなくても、授業中まじめに取り組まなくても、テストではしっかり点を取れる天才タイプ」の子だけだと思います。

なぜなら、これまでの評価では、たとえテストの点がそこまで高くなくても、授業態度がよく、提出物もしっかりしていて、前向きに学ぼうとしている子どもには、ある程度の評価が与えられていました。

いわば「がんばり」や「姿勢」も評価対象だったわけです。


しかし、今後はテストの点や知識の活用力が評価の中心になる可能性が高く、「結果がすべて」の世界に近づくことになると予想されます。

もちろん、努力することは大切だよ、と学校では言うかもしれません。

でも、それが成績という形で報われにくくなることは、十分に考えられることです。


文部科学省の示した現在の改訂方針では、「主体的に学習に取り組む態度」は評定には反映されないものの、所見欄などで文章による評価として残す方針が示されています。

たとえば通知表の「所見」や内申書の自由記述欄に、「意欲的に学習に取り組んでいた」「仲間と協力しながら粘り強く課題に向き合っていた」といったコメントを記すことが想定されています。


しかし、文章による評価は分かりづらく、相対的に軽視されやすいのが現実です。

評価の仕方に問題がはらんでいたとしても、数値的な評価は保護者にとっても子どもにとってもわかりやすく、学習のモチベーションに直結する面がありました。


特に神奈川県では、「主体的に学習に取り組む態度」の評定が高校入試に直結する仕組みになっているため、「今、自分が何をどれだけ努力すればどのくらい内申が上がるか」を考えながら、目標に向かって努力を積み重ねることができました。


「主体的に学ぶ態度」は、努力の過程を評価するもの、「知識や技能、思考力の観点」は、努力の結果を評価するものだと見ることもできます。

この努力の過程が成績に反映されなくなれば、「どうせ努力しても、結果が出なきゃ意味がない」「授業を真面目に受けていても、結局テストで点が取れなきゃ評価されない」、そう思ってしまう子が、出てくるかもしれません。


そして、そのように挑戦する前からあきらめてしまう生徒が増えるのではないかと懸念しています。

特に、成績が不安定な時期にある中学生にとっては、「今の自分がちゃんと認められている」と感じられることが大きな支えになります。

そうした支えが、数値ではなく言葉でしか表現されなくなったときに、果たしてどこまで届くのか。

教育に携わる立場としては、やはり大きな課題として見つめていかなければならないと感じています。

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