考え方のコツは「置きかえ」と「規則性」
- seieigakusha25
- Jul 31
- 4 min read
小田原市蓮正寺にお住いの皆さん、こんにちは!
小中学生対象の学習塾、清栄学舎の午来(ごらい)です。
小田原市蓮正寺エリアに新しく開校した当塾では、白山中学校・泉中学校・東富水小学校・富水小学校に通うお子さんを中心に、生徒を大募集しています!
もちろん、それ以外の学校にお通いの方も大歓迎!
「文章問題って苦手です……」
そうつぶやく生徒は少なくありません。
でも、そんなときに覚えておいてほしい大事なコツがあります。
それは、「簡単な数字で考えてみること」です。
数字を小さくしたり、区切ってみたりすると、バラバラに見えていた情報の中に、ふと規則性が浮かび上がってくることがあります。
そして、その規則をもとに式を立てることで、問題全体の見通しがよくなり、どんな数字が来ても落ち着いて対応できるようになります。
たとえばこんな問題があります。
「1分ごとに0.5cmずつ短くなるろうそくがあります。最初のろうそくの長さは6cmです。X分後に残っているろうそくの長さをYcmとしたとき、XとYの関係を式に表しましょう。」
このような「関係式を作る問題」は、つまずきやすいポイントのひとつです。
いきなり式を立てるのは難しいと感じる生徒も多いですが、そんなときこそ、簡単な数字を当てはめて試してみましょう。
「1分後の残りの長さは?」と聞くと、「5.5cmです」と答えられる子が多いです。
「2分後は?」「5cmですね」
「3分後は?」「4.5cm」
このように、具体的な数字で様子を見ていくと、規則性が少しずつ浮かび上がってきます。1分ごとに0.5cmずつ短くなっているという「変化のパターン」に気づけるわけです。
ここで重要なのは、「どうやって考えたのか?」を問い返すことです。
答えが出せたことも大事ですが、「その答えにどうやってたどりついたか?」を言葉や式で説明することのほうが、もっと大切です。
この場合、「〇分後に0.5をかけて、それを6から引いた」と説明できる子がいたらしっかり褒めてあげたいところです。
そう、この問題は、
Y=6−0.5X
という式で表せます。
この式のすごいところは、どんな時間(X分)にも使えるという点です。
数学が苦手な子は、式を「答えを出すための計算手順」くらいに思っていることがあります。
もちろん、それも大事な役割です。
でも、式というのはもっとすごいものです。
1分後、2分後、5分後、10分後、100分後、あるいは0.1分後―
どんな時間でも、Y = 6 - 0.5X という式に数字を入れれば、正しく残りの長さを出すことができるのです。
これはつまり、「式は、一般的なルールを表す数学の言語である」ということです。
ここまでの流れを振り返ってみると、次のようなステップを踏んでいることに気づきます。
まずは、1分後、2分後、3分後……と、具体的な数字を入れて様子を観察する
そこから、「毎分0.5cmずつ短くなる」という共通のパターン=規則を見つける
その規則を一般的な式(Y = 6 - 0.5X)にまとめる
そしてその式を使って、まだ見ていない時間(たとえば10分後)の様子を予測する
この流れは数学の根本的な考え方につながっています。
具体的な事例から規則性を見つけていく思考法を、「帰納(きのう)」といいます。
見つけた規則を使って、新しい事例や未知のケースに当てはめて考えるのが、「演繹(えんえき)」です。
この「帰納」→「演繹」の思考プロセスこそ、数学的な理解を深めるための王道なのです。
このように、文章題が難しく感じるときは、「簡単な数字で様子を見る」ことから始めてみてください。
そこから規則性を見つけ、式にまとめ、別の数字にも応用していく。
この一連の流れを繰り返すことで、文章題も次第に見通しが立ちやすくなり、式の意味も実感できるようになります。
そして何より、こうした「帰納と演繹の思考法」は、数学の中だけでなく、日常生活や他の教科、そして将来の問題解決にもつながっていくのです。
文章問題が苦手な人こそ、まずは小さな具体から出発してみましょう。
それが、数学を“考える力”として身につけていく第一歩です。
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