読解力を育てるのに大切なこと——家の中でできる意外な工夫
- seieigakusha25
- May 24
- 4 min read
小田原市蓮正寺の皆さん、こんにちは!
いよいよ開校間近!清栄学舎の午来(ごらい)です。
現在、小田原市蓮正寺エリアに新しく開校する当塾では、白山中学校・泉中学校・東富水小学校・富水小学校に通うお子さんを中心に、生徒を大募集しています!
もちろん、それ以外の学校にお通いの方も大歓迎!
本日は、教育に関するコラムを書いていこうと思います。
教育コラム初回のテーマは、「読解力の向上」についてです。

最近、「子どもの読解力が心配です」という声をよく耳にします。
読解力―文章の意味を正しく読み取り、相手の意図を理解する力―は、すべての学習の土台となる非常に大切な力です。
国語だけでなく、算数の文章題、理科の観察記録、社会の資料の読み取りなど、あらゆる教科で求められる力でもあります。
そんな読解力を育てる方法として、真っ先に思い浮かぶのが「読書」かもしれません。
もちろん、読書には大きな意味があります。
語彙が増え、漢字に自然に親しむことができ、長い文章に慣れ、集中力も養われる
―こうした効果は読書ならではのものです。

ですが、「本をたくさん読んでいれば、それだけで読解力も伸びる」というのは、少し違うように思います。
読書が好きでも、文章の内容をきちんと整理して理解するのが苦手な子もいますし、逆にあまり本を読まなくても、話をじっくり聞いたり、自分の考えを丁寧に伝えたりするのが得意な子は、意外と文章の読解力も高いことがあります。
では、読解力を伸ばすために、本当に必要なものは何でしょうか?
私は「対話」、つまり人としっかり向き合って話すことだと考えています。
家族との日常会話はもちろん、学校や地域でのやりとり、異なる年代や背景の人たちとの交流も含まれます。
いろいろな立場の人と話す中で、相手の言葉の裏にある気持ちや考えを想像したり、自分の思いをどう伝えたら伝わるかを工夫したりすること。
これこそが読解力の育成につながるのです。
しかし、現代の子どもたちは、必ずしもそうした対話に恵まれているとは言えません。
SNSの普及により、LINEやX(旧Twitter)などの短文で済ませるコミュニケーションが主流になりつつあります。
「伝えたいことを、最小限の言葉で素早く伝える」能力は確かに便利ですが、そこには文脈の補足や相手の意図の汲み取りが抜け落ちてしまう危険もあります。

読解力を育てるためには、むしろ逆のアプローチが必要です。
省略せずに言葉を尽くして伝えること。
そして、相手の話をただ聞くのではなく、「この人はなぜこう言ったのか」「本当に言いたいことは何か」と考えながら、じっくり受け止めること。
つまり、キャッチボールのような丁寧なやりとりが求められます。
投げっぱなしでも、受け流しでもない、双方向の会話。
このやりとりの中で、子どもたちは言葉の奥深さや使い方を学び、自然と読解力を育てていくのだと思います。

最近、私はもう一つ、読解力の育成に役立つ場面を身をもって体験しました。
現在、清栄学舎の開校に向けて、教室に家具を設置しているのですが、いざ家具を組み立てようとすると、これがなかなか難しい。
説明書をしっかり読まないと、部品の向きや順番を間違えてしまい、結局やり直す羽目になります。
説明書を読む → 内容を理解する → 実際に手を動かす。
このプロセスそのものが、まさに読解力のトレーニングになっていると感じました。
プラモデルや手芸、折り紙、あやとりなども同じです。
言葉や図を読み取りながら、実際に形をつくっていく作業は、遊びでありながら、論理的思考や読解力を鍛える良い機会になります。
清栄学舎では、生徒一人ひとりとの対話を大切にしながら、こうした身近な活動や工夫を授業に取り入れることを模索しています。
机に向かう学習だけでなく、日常の中の体験や遊びを通して、総合的に読解力を育てていく。
そのような学びの場を、これから皆さんと一緒につくっていきたいと考えています。
今後もこのような「教育コラム」を定期的に発信していく予定です。
私は大学で教育哲学を学んできたこともあり、「そもそも教育とは何か?」「今のやり方は本当に子どもの力を伸ばしているのか?」といった問いを、日々考え続けています。
これからも、家庭で実践しやすいちょっとした工夫から、教育そのものの在り方を見直すようなテーマまで、幅広く取り上げていきたいと思っています。
次回の投稿も、どうぞお楽しみに!
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